私は若い頃この島にやってきて、荒川口→縄文杉→宮之浦岳・永田岳→大川(おおこ)の滝のルートを横断しました。
そのころは、空港建設中で小杉谷事務所もあって、縄文杉のまわりにも保護柵などなく頂上でテントを張るといったのんびりした感じでした。
しかし、今はゾロゾロという形容がぴったりなほどたくさんのハイカーや観光客が入山しています。
ガイドも乱立しているようです。

このように、かつてとはかなり趣が異なりますが、私なりに歩いたところを紹介します。
ただし、まずは一般コースということで当たり前のところになりますが、ベテランの方は愛を持って見てください。

白谷雲水峡
縄文杉
宮之浦岳
黒味岳
モッチョム岳
愛子岳
蛇の口の滝

●白谷雲水峡
山登りの中に入れて良いかどうか分かりませんが、山道を歩きますので紹介します。
一般的には白谷小屋までの初心者向けと、もののけ姫の森や太鼓岩までの健脚向けになります。
観光コースと思って気を抜かないで歩きましょう。

まず駐車場に車をおいて、受付で入場料300円を払います。
入ってすぐのところを右手に登って「弥生杉」を目指します。急な階段の登りは息が切れます。ゆっくり登りましょう。
弥生杉は樹齢約3000年の杉で、縄文時代に生まれた縄文杉に対して、弥生時代に生まれたということなのでしょう。
 
弥生杉コースを下ると沢沿いの道に合流し、少し進むとさつき吊橋に着きます。
橋の上からの沢の眺めはすばらしい。

順路はここから左岸の山道をとります。ここから源流までいろいろなヤクスギがあります。
二代大杉、三本足杉、三本槍杉、びびんこ杉、奉行杉・・・
 

水が切れた頃、まわりはもののけ姫の世界になります。

やがて白谷小屋などさらに奥に進む分岐点にさしかかります。
私たちは下ることにして、沢の右岸を下ります。
さつき吊橋までは下り1本で快適です。
吊橋を渡り、登りとコースを変えて沢沿いを歩きましょう。谷の出口まですばらしい景色が広がります。
 



●黒味岳(1831m)
この夏我が家に逗留してくれた家族の一部を伴って、登りました。
京都出身者のお父さん、北海道在住のお母さん、東京の小6の娘という全く何のつながりもない、一見親子風(?)の3人です。
前日に淀川口まで車で詰めて、テント泊。満天の星の中、流れ星のショーを眺めながら、一方で私などはシュラフもない寒い一夜を過ごしました。

登山当日は、朝の6時には早々とおじさんおばさんたちが、それぞれの車で到着。
実は、前夜虫取りらしいおじさんがテントのすぐ横で、エンジン発電機でライトを煌々と照らして夜中までいたので、あまり寝られず朝はゆっくりしたかったのですが、そうもいっておられず、早々に出発しました。

天気は快晴、達者な3人は快調に淀川小屋に到着。小屋を出たところがあまりにも美しかったのでカメラに収めました。
  
その後も快調にに進みました。途中おもしろいとかすばらしいとかいうたびに、写真を撮りました。

黒味岳は、宮之浦岳へのメインルートから花之江河を過ぎてすぐ左につきます。上りとトラバースを繰り返しながら、シャクナゲと奇岩の中を進みます。
花之江河

 
最後は、2つに割れた大岩をぐるっと巻いてから登ると山頂です。岩の上に頂上を示す板が置いてありました。
親子風の3人
永田岳(左)宮之浦岳(右)

頂上にいると、空荷で上がってきた関東の一人旅の青年と、偶然らしかったのですが青年とすでに知り合いの北海道の中高年夫婦がやってきました。都合6名で頂上を占拠してメインルートを蟻のように行き来している人たちを見下ろしながら、世間話で1時間を過ごしたのです。
奇しくも、こちらにも北海道と東京の人間がいて、しかも別グループの人たちの住んでいるところの近くだというからおもしろい。

といういように、「黒味岳」はすばらしいところです。ぜひ訪れてみてください。
ただし岩場なので、天候の悪いときなどそれなりの登山技術を要求されるかもしれません。

●宮之浦岳(1935m)
2004年5月23日の記録です。翌週に「しゃくなげ登山」を控えての時期です。
徳洲会病院の看護婦さんたちを中心とした総勢14名で登りました。
県道から屋久杉ランド方面に入ったところにある「屋久杉自然館」の駐車場に集合、ここから淀川口まで乗り合ってはいります。
朝6時過ぎには、駐車場には車がいっぱい、やむなく少し手前の路上に停めました。

混成部隊なので、適当に順番を決めて歩き始めました。
普段山登りをしたことがない人がほとんど、という割にはペースが速い。登りの方が下りより早いのも妙な感じで、山慣れしないせいかもしれません。
黒味岳別れまでの様子は「黒味岳」のところを見てください。
しゃくなげの咲いているのを見つけるたびに、歓声があがり写真撮影が始まります。

 

黒味岳へのルートを左に見て、すぐに投石平です。登山口から約3時間の位置にあります。
淀川小屋、花之江河に続いての休憩に適したところで、平らな岩に腰掛けて風を受けていると、ここで昼寝をして戻っても良いような気分になります。

投石岳の西面を巻きながら登ると、宮之浦岳が望めます。
しかしここから、まだまだ先があります。
 

天気はどんどん良くなり、快適な縦走を楽しみました。
山頂に近づくに連れ、振り返ってみると通過してきた峰々が空に映えます。


栗生岳の道標を迎えると、後一踏ん張りです。
 

山頂には11時に到着。休憩を含んで4時間半の行程でした。
山頂には、たくさんのグループが占拠していました。

 

頂上からは360度の大パノラマです。
山頂より永田岳(左肩には口之永良部島)
永田岳、縄文杉方面縦走路

1時間滞在して、下山。元来た道をひたすら歩き、4時間弱で淀川口にたどり着きました。

●縄文杉
3月に小雨の中、家内と2人で登ったので、今年2回目になります。
盆を過ぎて関西からばあちゃんと上の子供たちがやってきたタイミングで登ったので、計8名の大所帯になりました。
3月は日帰りでしたが、今回のメンバー(ばあちゃんを除く)は黒味岳のようなえりすぐりではないので、2日かかりで行くことにしました。
ということは、1泊の装備が必要です。
屋久島には営業小屋がないので、全て自前です。
大きめのザックをレンタル業者から2つ借りて、シュラフも地元の山好きの人から2つ借りて男3人で8人分を山分けという感じです。
シュラフも3つ足りないという状態でした。

さて途中で頼んでおいた弁当の時間に合わせて、9:00に車2台で出発。お弁当屋さんは、県道を屋久杉ランド方面に入って数分登った右側にあります。ゲットウという植物の葉っぱで包んだおにぎりとおかずの2包みのセットです。家内は好きなのですが、どういう訳かおにぎりの中に入っている梅干しが苦い。

車は屋久杉ランドへの道を道標に従って右へ。せっかく登ってきたのにどんどん下ります。
途中猿や鹿に挨拶しながら荒川口に到着すると、車でいっぱいで大分手前の道路脇にまで駐車しています。

身支度をして出発。ただひたすらトロッコ道を歩く。前回と異なり天気が良いので景色が違います。快晴でしたがほとんど木陰でしかも谷沿いなので結構涼しく歩けます。
いくつもある橋には、かつてはなかった手すりなどが取り付けられている。私の友人である地元の人の話ではずいぶん掛け合った末の成果だそうだ。

小杉谷の小学校跡など2〜3休憩して14時前に大株道入り口に到着。ここはトイレ最終地点でもある。
こちらの出発が遅いので、次々と下りてくる人たちとすれ違いながら、急登にはいる。ここから縄文杉まではウィルソン株、大王杉、夫婦杉と名の知れた屋久杉のオンパレードです。

水場はいっぱいありますが、ウィルソン株のちょっと上部にある湧き水がとてもおいしいです。縄文杉には16時すぎに着きました。携帯で留守番のばあちゃんに到着メールを打ったり写真を撮ったりしてゆっくりしてから、宿泊地の高塚小屋に向かいます。高塚小屋までは15分くらいで到着、無人の状態でした。きれいに管理されていて、行く前に新高塚小屋の方がいっぱい(60名定員)泊まれるしきれいよ、といってもらっていたのですが、ここもきれいだと感じました。

後から3組6人くらい来たので、定員20名の小屋でも十分でした。私たちはせっかくテントを上げたので、子供たち用に張りました。
水場は汚いのしかないので縄文杉まで汲みに下りました。夜は満天の星でしたが、小屋周辺は森になっているので木々の間からという感じでした。鹿の親子が何度も近寄ってきて子供たちの相手をしてくれました。

翌日は、早めに出発。それでも大株林道入り口手前くらいで登ってくる人に出会いました。大株林道入り口は大にぎわい。何人かのガイドをしている知り合いにも会うほどで、このルートの人気のすごさに驚きです。

2日かけたにもかかわらず、メンバーの中には足に来ているものもいたので、このコースは無理に日帰りを目指すのは要注意です。

●モッチョム(本富)岳(940m)
朝焼けのモッチョム岳
(自宅より)

今年のPTAで6年生の取り組みは、モッチョム岳登山でした。原の人たちは学校から登った以外には案外経験がないよう
でした。そのせいか、親たちの中には悲惨な山行となった人も多かったようです。

かつては原から直登するルートもありましたが、台風で一部崩壊したのを機に廃ルートとなっているようです。
現在は千尋(せんぴろ)の滝から入り、万代杉を経て最高点に向かい、そこから岩場をトラバースするというルートです。

当日はあまり良い天気ではありませんでしたが、決行ということで神山小学校に7時集合、7時半出発です。
軽トラの荷台や乗用車などに乗り合わせて、千尋の滝の駐車場に向かいます。

駐車場で、普段ガイドをしているお父さんに、登山についての注意を受け、体操をして出発です。
登山口
(千尋滝駐車場)

このルートはいきなり直登で始まるので、早くから脱落者が続出、特に前日の酒が残っているお父さんにはきつかったようです。
途中シャワーのような雨が時折降ってくるような感じで、足下も少し滑る感じです。

何度も後続との時間調整しながら、まずは万代杉に到着です。ここまでで1時間30分、少し遅れ気味です。
万代杉

ここからしばらくは尾根沿いなので、比較的楽になります。最高点からモッチョム岳までは屹立した大岩の横を抜ける緊張を要求されるルートになります。当日はこのあたりも霧に包まれていてしたが見えなかったので、慣れてない人には幸いだったと思います。
それでも教頭先生にとっては、大変だったようですが。

岩場をアップダウンした後、最後は太い定置ロープに頼って岩の上によじ登ります。
頂上は岩塊

ここが頂上で、昼食の場所なので全員登ることになります。結局3時間30分くらいかかったと思います。
少数精鋭で行けば2時間30分くらいで行けると聞いています。

頂上からは尾之間側はよく見えましたが、原より北はほとんど見えなかったのが残念です。
晴れrたらこんな感じ
(10月の快晴の日)

帰りは急な下りになるので、山歩きになれない人にとって膝のダメージが大きかったようです。
この後、公民館でバーベキューだったのですが、そこで両膝に湿布薬を貼っている人がいました。

●愛子岳(1235m)
愛子岳遠景
(小瀬田集落より)

愛子伝説の主役愛子岳は、空港など小瀬田集落付近から特徴的な姿を見せています。
他の著名な屋久島の山々と同じく、頂上直下は巨岩で形成されています。

今回は5月12日の記録です。

さて、登山口は県道より道路標識に従い、小瀬田集落を山側に入り林道を走ります。
林道の途中なので、よく見ていないと見落とす可能性があります。
登山口

写真のように緩やかなアプローチで始まります。
おもしろいことに標高200m地点から100mごとに道標や植生の説明パネルがあります。
100mごとにある

天気は最高、見上げる木々は空の光を透して輝いています。


800m付近に来ると肩の位置になる稜線に出て、突然山頂が望めます。
観光ルートではないので、名前が付けられた杉はありませんが、900m付近に以下のような切り株がありました。

急登と緩やかな枯葉道を繰り返す気分の良いルートです。やがて1000mを超えると巨岩が現れます。


「あと200m」と書かれたところからは、ロープも出現するちょっとした岩場です。
ずんずん登ってきたルートもここからは、少しずつ山頂に近づく感じです。

頂上直下の岩場からすると、やや気抜けがする頂上にはガイドを伴った1グループが昼食中でした。

奥岳方向は雲一つなく、海側は雲海といった景観のひとときをご覧ください。
宮之浦岳など奥岳を臨む
頂上の証
海側の雲海

下山は、頂上直下の岩場を慎重に降りた後は、快調に小走りの2時間でした。

水場は900m付近に1箇所だけあります。「水場40m」と書かれた道標に従って谷を下ります。
足場が悪いので注意を要します。

●蛇の口の滝
ハイキングコースと紹介されていることが多いのですが、沢沿いなので雨天続きの後など増水時は危険です。
気を抜かないで歩きましょう。

登山口は「尾の間温泉」の駐車場です。温泉入り口に向かって右手から入ります。
 登山道入り口

登山道は、ご覧のような森のような感じで、歩きやすく高低差もあまりありません。

 入り口付近の
 登山道

10分くらいで、滝まであと3kmの道標があるが、これは誤りと思います。さらに10分ほど進んだところに同じものがあります。
登山口より30分くらいで、大きな一枚岩が出てきます。以降は道沿いに大小さまざまな花崗岩が現れます。

 大岩を登ると
 その大きさが
 わかる

さらに10分くらい進んだところで、木の間にプール状の沢が見えたので降りてみました。
 夏は涼めそうな
 沢身

1時間くらい経過すると、左上部に滝が望めます。

 蛇の口の滝
 遠望

さらに10分で、尾の間林道との分かれに到達します。ここには休憩所がありますが、あと少しなのでかまわず進みます。

 尾の間林道との
 分かれ

これまでずっと左岸を進みましたが、何箇所かあるなかで最後の大石を飛んで渡るところは、増水時要注意です。
ここでの写真は、相当降った後の3日経過時点です。

 最後の渡渉点
 赤布を目印に
 渡る

行程約1時間半で、滝の目の前に到着します。
ここで案内した時間は、あくまで目安です。また休憩はしていませんので、同行者の中で一番弱い人を基準に休憩時間も考慮して計画してください。

 蛇の口の滝